仮面ライダーになるならショッカーの道を選ぶ5つの理由

平井真也です。 仮面ライダーシリーズでは、主人公がどんなライダーかということも気になりますが、敵側も大事です。ヒーローを描く物語ですから、ある意味、敵もまた魅力的であってほしいものです。今回は、そんな「敵」たちに注目してみました。

目次

仮面ライダーシリーズの「敵」一覧

多少、物語的なネタバレを含むかもしれないのでご注意ください。

■昭和期ライダーの敵勢力

スクロールできます
作品敵勢力概要
仮面ライダーショッカー世界征服を企む国際的秘密組織。
ゲルショッカーアフリカを拠点に暗躍していた暗黒組織(?)「ゲルダム団」とショッカーが合併・再編された組織、
仮面ライダーV3デストロン世界征服を企む組織。
仮面ライダーXGOD機関世界の対立している大国同士が水面下でつくりあげた秘密組織。
仮面ライダーアマゾンゲドン「十面鬼ゴルゴス」率いる秘密結社。古代インカ帝国の流れをくむ?
ガランダー帝国パルチア王朝の末裔を名乗る「ゼロ大帝」率いる組織。
仮面ライダーストロンガーブラックサタン全人類支配を企む組織。
デルザー軍団「魔の国」からやってきた魔人たちの集団。
仮面ライダー(スカイライダー)ネオショッカー世界征服を企む組織。ショッカーとの関係は不明。
仮面ライダースーパー1ドグマB26暗黒星雲から現れた「帝王テラーマクロ」が率いる王国。
ジンドクマドグマと同じB26暗黒星雲からやってきた組織。
仮面ライダーBLACKゴルゴム太古の昔から暗躍している秘密結社。
仮面ライダーBLACK RXクライシス帝国異次元「怪魔界」から侵略してくる帝国。

■平成期ライダーの敵勢力

スクロールできます
作品敵勢力概要
仮面ライダークウガグロンギ古代の種族。人間を殺害した数を競う独自の文化を持つ。
仮面ライダーアギトアンノウン(ロード怪人)超越生命体。詳細不明。神に仕える天使のようなものらしい?
仮面ライダー龍騎ミラーモンスター鏡の中の世界「ミラーワールド」に生息するモンスター。組織化されていない。
仮面ライダー555(ファイズ)スマートブレイン社(オルフェノク)死から甦った怪人「オルフェノク」が隠れ蓑にしている企業。すべてのオルフェノクを掌握しているわけではない。
仮面ライダー剣(ブレイド)アンデッド不死生物。地球上の生物の始祖。明確には組織化されていない。
仮面ライダー響鬼魔化魍自然に発生する(?)妖怪のようなもの。明確には組織化されていない。
仮面ライダーカブトワーム地球外生命体。明確には組織化されていない。
仮面ライダー電王カイ一味(イマジン)未来からやってきた存在。ボスの「カイ」の目的に沿って行動している。
仮面ライダーキバファンガイアこの世に13ある魔族の1種族。
仮面ライダーディケイド※「ディケイド」は平成ライダー過去作品のパラレルワールドを巡る物語。過去の敵の設定違いが登場する。
仮面ライダーWミュージアム(ドーパント)人間を怪人化させる装置「ガイアメモリ」をバラまいている秘密組織。「園咲家」という一家族が黒幕。
仮面ライダーOOO(オーズ)グリード欲望から生まれた怪人。明確には組織化されていない。
仮面ライダーフォーゼゾディアーツ「ゾディアーツスイッチ」により、「天ノ川学園」の生徒が怪人化した。学園理事長が黒幕。
仮面ライダーウィザードファントム人間の精神世界から出現する魔物の集団。「ワイズマン」という黒幕に指揮されている。
仮面ライダー鎧武(ガイム)インベス/フェムシンムインベスは異空間「ヘルヘイムの森」に生息する生物。組織化されていない。フェムシンムはかつて森に栄えた文明のわずかな生き残り。

昭和期のライダーたちが戦っていたのは、ショッカーに代表される「犯罪組織・テロ組織」でした。

一方、平成期の敵勢力は、そもそもきちんとした組織ですらないことがほとんどで、なんかもともと「そういう種族」であるのが主流。詳細がよくわからないやつらも多いです。

カイ一味やゾディアーツのように、まったくの一個人の思惑だけで動いていた集団や、ミュージアムなど家族経営(!)の集団までいる状態。

地球上の生物の始祖、など、スケールの大きい設定もあって、それはそれで面白いんですが、「組織」という観点で見ると、昭和期の敵たちのほうが、なんといいますか、きちんとしているのですよね。

……と思っていたらこんなネタがありました。

正義の味方と悪の組織の違いについて
出典:正義の味方と悪の組織の違いについて ( http://www.slideshare.net/Inetgate/ss-4535840 )

なるほどです(笑)。

昭和期の敵勢力は、よくもわるくも単純な設定で、その結果、ある意味、「組織」というものの本質的なエッセンスを持っているということではないでしょうか。なので、仮に、ショッカーなどが会社組織だとしたら、けっこう悪くないんじゃないの?と思わせる面がけっこうあります。

ショッカーが会社組織だったらわりといい感じ

ショッカーをはじめとする、昭和ライダーの敵勢力が、会社組織だとしたら良いと思われる点を挙げてみました。

(1)わかりやすいピラミッド型の組織

悪の組織は、厳格なヒエラルキーがあることがほとんどです。だいたいは、

 ボス-幹部-怪人-戦闘員

という序列になっています。最近、企業ではフラット型組織がいいという意見もありますが、ピラミッド型組織のほうが、人材教育は効率的、構成員の帰属意識は強まる、といったメリットがあります。結束が必要な悪の組織には適した形態だと言えるでしょう。(※デルザー軍団など、フラット型の組織もたまにあります)

また、組織の上下関係ははっきりしていますが、非常に実力主義の組織です。

(2)現場担当者の裁量が大きい

悪の組織の活動は、毎週、選ばれた現場担当者(怪人)が某かの作戦活動をするのですが、どんな活動をするかは、わりと現場担当者に任されています。

幹部は、最初に怪人を送り出すだけで、進行中は怪人がけっこう自由に動き回っています。作戦内容も毎週バリエーション豊かで、おそらく個々の怪人が発案しているのでしょう。組織の形態はかっちりしたピラミッド型ですが、業務は独立したプロジェクト制で、担当者の自由度が高いです。

(3)管理職の責任が明確

怪人の作戦はだいたい失敗しますが、何週間か失敗が続くと、幹部が更迭されて入れ替わることが多いです。特に仮面ライダーV3と戦ったデストロンは4人も幹部が交替しました。

現場担当者の自由度が高いにもかかわらず、その責任は上司である幹部がきっちりとる。これってなかなか理想的な組織ではないでしょうか?(作戦が失敗した時点で怪人は死んでるんで責任のとりようがないという理由もありますが)

(4)経営トップのカリスマ性が高い

悪の組織は、ボスに対する忠誠心がハンパないです。

昭和の組織は、トップのボスは最終回までほとんど姿を見せないことが多く、声だけで指令を伝えたりするのですが、声だけなのにかなりの求心力をもっている様子。

ほとんどの組織は、世界征服や人類支配を目的にしており、ビジョンが明確。下っ端の戦闘員も、経営トップと目標を共有しやすいという面もありそうです。

(5)人材獲得に熱心である

昭和期の仮面ライダーは、もともと優秀な人間が悪の組織側に改造されてしまって仮面ライダーになったという設定です。つまり組織は、「優秀な人間を自分たちの組織の構成員にしよう」という活動に熱心ということ。

ライダーたちが非常にハイスペックな人物であることを思えば、人材を見抜く目も確かです。

……以上、なかなかちゃんとした組織だと思いませんか?

もっとも、そうは言っても、そもそも犯罪組織ですからコンプライアンスとは無縁ですし、労働環境もブラックっぽいです(このへんは実際のところがわからないのですが、ホワイトな気がしません。危険な職場だし)。昭和の組織には女性のキャラクターがほとんどいませんから、男女の地位も同等ではなさそう(余談ですが、その点でアマゾンと戦った「ゲドン」は、戦闘員が女性という異色の組織です)。

しかし平成期になりますと、敵勢力内での仲間割れや下剋上はあたりまえになり、むしろ仮面ライダー同士でも戦う展開が多くなっています。そのライダーたちは、無職だったりフリーターだったりするところから、ふいに力を手に入れて、たった一人(~少人数)でライダーとして戦わなくてはいけないという有様。

それだったら、ショッカーみたいな組織に所属して働く方が、よさそうだな~と思ってしまうのでした。

シェア
このエントリーをはてなブックマークに追加
目次