こんにちは。今日は私が前々からカッコイイと思っていた、コモドオオトカゲの魅力について語りたいと思います。情報として特に目新しい内容ではありませんが、好きなので語ります。
私は基本的に強い動物が大好きです。その意味ではトラやライオンも好きなのですが、彼らの戦闘スタイルってこれといって特徴がないんですよね。真っ当すぎるといいますか。身体能力が高いのは認めるけど、ファイターとしては爽やかすぎて、いまいち心をくすぐられません。その点、コモドオオトカゲは違いますよ。
コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)とは?
コモドオオトカゲは、インドネシアの小スンダ列島(コモド島、フロレス島、リンチャ島)に棲息する異常にデカいトカゲです。体長3メートル、体重140キロ以上にまで成長する個体もいて、あまりの大きさから、初めて発見した人は
「うっわーこの島 恐竜が生きてるぅぅぅぅぅぅぅ!」
と大パニックなったとか。まあ、無理もありません。見た目がこれですから。
ウロコに覆われたいかにも頑丈ですと言わんばかりの皮膚、持久力と耐久力を兼ね備えた筋骨隆々の足、大木をもなぎ倒すかのような巨大な尾、引っかかれたら致命傷間違いなしの鋭利な爪。こんな奴と前知識なしに出くわしたら、誰でも恐竜の生き残りかと勘違いしてしまうでしょう。
コモドオオトカゲは生息域において支配者として君臨し、ヤギ、シカ、ブタなどを襲って食べています。ときには馬や水牛など自分よりも大型の生物を襲って捕食することもあるなど、“恐竜の生き残り”のニックネームに恥じない戦闘力と獰猛さを備えています。
狙った獲物は絶対に逃さない」魅惑の戦闘スタイル
さて本題。冒頭でふれたように、コモドオオトカゲの戦闘スタイルは他の肉食動物とはひと味違います。
彼らは、「俺はお前を威嚇している」と言わんばかりの風貌とは裏腹に、茂みなどに隠れてじっと獲物を待ち伏せて襲う奇襲戦法を得意とします。
奇襲ですから、襲われたほうは攻撃を回避するのが難しく、最低でも一撃はくらってしまいます。しかしその場で動けなくなるほどのダメージを受けたわけではないので、食われてたまるかと逃げる、逃げる。コモドオオトカゲは図体のわりには俊敏ですが、特に脚力(スピード)が優れているわけではありません。ヒタヒタ、ヒタヒタ、と追っていくものの、命のかかった大逃走劇は獲物に分があります。
しかし、彼らは慌てません。(たぶん)ニヤリと笑みを浮かべながら、ヒタヒタ、ヒタヒタ、ヒタヒタ、と獲物を追いかけ続けます。3日でも5日でも一週間でも。スピードでは敵うわけがないのに、なぜか。
コモドオオトカゲの攻撃をくらった獲物は確実に絶命することが分かっているからです。
実はコモドオオトカゲは歯の間に複数の毒管を持っていて、奇襲攻撃の際に毒を流しこんでいるのです。毒液には、血液の凝固、血圧の低下、筋肉の麻痺、意識の喪失を引き起こす作用があり、毒を注入された獲物は、その場では逃げ切っても徐々に衰弱していき、最後はしつこく追ってきたコモドオオトカゲに捕食されるというわけです。たとえ視覚的に振り切っても鋭い嗅覚で発見されます。
つまり奇襲攻撃を無傷でかわさない限り、コモドオオトカゲから逃げる術はないということですね。普通に戦っても十分強いくせに、奇襲&毒攻撃なんてほとんど反則でしょう。普通に現れても十分気持ち悪いGが、物陰から突如飛行しながら現れてバイ菌を振りまくようなもんです。
なお、メルボルン大学のブライアン・フライ博士によれば、コモドオオトカゲの毒は非常に強力で、世界でも有数の毒ヘビとして知られる「ナイリクタイパン」にも劣らないとか。
いかがでしょう。私がトラやライオンよりもコモドオオトカゲに惹かれる理由が伝わったでしょうか。「強い」「ずるい」「しつこい」 の三拍子がそろった王者にメロメロです。
コモドオオトカゲを見るには
残念ながら、日本でコモドオオトカゲを見ることはできません。以前は札幌市円山動物園や、恩賜上野動物園で飼育されていましたが、現在はそれぞれの事情により不在の状態です。
(円山動物園 飼育時の映像)
ただ恩賜上野動物園は、繁殖のためシンガポール動物園へ貸与しているとのことなので、帰国する日を待ちましょう。
もっとも、コモドオオトカゲは交尾をせずとも単独で子を作る「単為生殖」力があることが確認されているので、自然に増えないのかな……と素人考えで思ってしまうのですが。それにしても、最強なうえに単為生殖までするとは。やっぱこのトカゲチートすぎます。