随分前から『ウォーキング・デッド』という洋画ドラマにハマっている鴨です。
タイトル通り「ゾンビもの」ですが、主に描かれているのは人間ドラマで、荒廃した世界でどう人間らしく生き抜いていくかが物語の焦点になっています。ゾンビはあくまで恐怖のスパイスでしかなく、グロいシーンも比較的少ないため、ソンビが苦手な人でも観やすい作品でしょう。
あまりに面白いので皆に勧めているのですが、ゾンビものは好き嫌いがハッキリ分かれますね。先日は「そんなの見てるから駄目なんですよ」と謎の説教をくらいました。思うに、ゾンビと聞いただけで拒絶してしまう人は、幼少期になんの心構えもなくいきなり超本格派のホラーを見た、または見せられた人ではないでしょうか。段階を追って慣らしていけばきっと耐性ができていたはずなのに。
そんなわけで今日は、ゾンビものでもコメディ色の強い作品を紹介し、一人でも多くの人がゾンビワールドにどっぷり浸かれるよう導けたらと思います。有名作品ばかりで特に掘り出し物はありませんが、苦手な人には初めての作品ばかりだと思うので、あえて王道で行きます。
ショーン・オブ・ザ・デッド
ロンドンの家電量販店に勤める冴えないショーンは、その無気力で煮え切らない態度ゆえにガールフレンドのリズから振られてしまう。意気消沈したショーンだが、翌日起きてみると街中にゾンビがあふれていることに気づき、母親とリズを助け出すため居候のエドと共に奮闘する。
ゾンビを撃退するために要らないレコードを投げようとするも、「それは大切だから駄目」「これは?」「投げて良し」など笑いを誘うやり取りや、ピンチになるとゾンビの真似をして危機を回避するといったギャグが散りばめられています。コメディだと安心しきっているとおしっこちびるシーンもありますが、基本的にはお馬鹿なノリで楽しめます。
ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春
3年ぶりに目覚めたオタク系青年マイクは困惑していた。街がゾンビの集団とそれを迎え撃つ人間たちの姿で溢れていたのだ。 その時マイクを銃弾が襲う。死ぬ!と思ったのも束の間、全く痛みを感じないマイク。あれ?と訝しがる彼にブレントと名乗るゾンビが親しげに声をかけてき た。ブレントが語るところによると、彼らは人間の記憶と知性を取り戻してしまった珍しい“半分ゾンビ”だというのだ。「人間にもゾンビにもなれない半端も のかよ…。」と打ちひしがれるマ イクだったがポケットを探るとそこには愛する恋人に渡しそこねた婚約指輪が。ブレントの励ましもあり、彼らは時に人間、時にゾンビのフリを繰り出しながら 恋人を探す旅を始める。
肉体はゾンビだけど心は人間の主人公のお話。ゾンビから食糧とみなされることはないので安心ですが、人間に見つかると射殺されてしまうため、正体がバレそうになるとペラペラ喋ってやり過ごしたりします。そんな状態で生前の恋人に婚約指輪を渡そうとするも、2人の間にはもはや越えられない壁があり……。ちょっとせつなく感動できるゾンビものです。
ゾンビランド
娯楽映画の要素をふんだんに盛り込んだホラーコメディ。ウイルスで人類の大半がゾンビになった世界。偶然知り合った4人の男女が、ゾンビが居ないと噂される遊園地を目指して決死のサバイバルを繰り広げる。
ゾンビの世界で生き残る教訓として「二度撃ちして止めを刺せ」「後部座席に注意」「ヒーローになろうとするな」「肌の露出は最小限に」など、これまでのゾンビ作品で死んでいったキャラが必ずやる「油断あるある」がもうクスリときます。スプラッタなシーンはありますが、ゆるいノリの中で起こるので、まあいいかなと思えてたり。「トゥインキー」というクリームをスポンジでくるんだお菓子が出てくるのですが、これを知っているアメリカ通の人はさらにニヤリとできます。
ロンドンゾンビ紀行
テリーとアンディの兄弟は問題に直面していた。昨今の不況のために、祖父が入居している老人ホームが閉鎖されてしまうのだ。ホームが閉鎖されたら、祖父や その友人たちはどうなってしまうのか? 事態を打開するために兄弟は銀行強盗を企むが、銀行の外はなぜだかゾンビだらけに!?ちょうどその時、老人ホーム にもゾンビの魔の手が忍び寄っていた。果たして兄弟は祖父を助けることができるのか? ロンドンの下町を舞台にゾンビ退治大作戦が始まる!!
ゾンビVS老人という異色の対決。相手がお年寄りだからか、ゾンビの戦闘力は他作品と比べて極めて低く、歩くスピードもお年寄りより遅いという設定(笑)。終盤では孫と協力してゾンビの一掃を決意しますが、しっかり戦うのにほのぼのしています。孫達にも負けない元気なお爺ちゃんお婆ちゃんの姿が観れて嬉しくなるのもポイント。
13日の金曜日PART7/新しい恐怖
クリスタルレイク付近で暮らす少女・ティナは、生まれつき超能力を 備えた少女であったが、両親が夫婦喧嘩をした日の夜、ティナは家を飛び出してしまい、誤って追いかけて来た父親を超能力で湖の底へと沈めてしまう。それか ら数年後、クリスタルレイクへ戻ってきたティナは、父親を生き返らせようと、父親の沈んだ湖に向かって念力を放つ。しかし出てきたのはティナの父親ではな く、トミーによって湖へと沈められた殺人鬼・ジェイソンであった。次々とキャンプ場に訪れた若者達を殺害していくジェイソンに、ティナは自らの超能力を駆 使して立ち向かう。
ゾンビものからはちょっと外れますが、死者が暴れるという点では同じだし、なにより笑えるホラー映画としては私的にNo.1なのでセレクトしました。最強無敵のジェイソンがいつものように暴れていると、超能力少女ティナの逆鱗に触れボコボコにされるストーリーです。映画版『バイオハザード3』の主人公アリスもちょっとした超能力を使いますが、ティナの容赦ない強さはアリスの比ではありません。怖いはずのジェイソンを笑って観れる、こうしてホラーに慣れていくのではないでしょうか。
■さいごに
以上でゾンビものにある程度耐性を付けてから、ぜひウォーキング・デッドを観てください。シリアスな作品ので恐怖感は高いですが、目を背けたくなるスプラッタシーンは上に挙げた作品とそう変わらないレベルです。ど~しても苦手な人は日本版DVDをどうぞ。ご丁寧に残虐シーンがカットしてある謎仕様ですよ。