不良(ヤンキー)漫画の最高峰『クローズ』の期間限定で無料購読してみた

どうも。最近タイのキックボクサー風唾吐きダイエットで道行くリーマンを威嚇しながら歩きスマホしている鴨です。いい歳した大人のやることではありませんが、久しぶりに『クローズ』を読んでアツくなったせいなのでご容赦願いたい。

11月30日から12月20日までKindleで無料購読できるんですよ。クローズを知らない人はぜひこの機会にどうぞ!

クローズ(1) (少年チャンピオン・コミックス)

ご存知クローズは、不良(ワル)ばかり集まる鈴蘭高校・通称”カラスの学校”に転校してきた主人公・坊屋春道が、様々な強敵と喧嘩を重ねて友情を育んでいく物語。単行本は全26巻+外伝3巻。続編や関連作品も発売されているほか、小栗旬さん主演で実写映画化もされた超人気作品です。

そんなわけで今日は、クローズの期間限定 無料お試し版を推奨すべく、その魅力について2つほど語りたいと思います。

目次

弱い敵から順に登場するマンネリの展開を踏まない

当時(小中学生)から思っていたのですが、この漫画は弱い敵から順に登場するお約束の展開がありません。作中最強でラスボスのリンダマンは2巻で登場しますしね。ゆえに明らかな噛ませ犬(ウォーズマン)も存在せず、バトル漫画にありがちな強さインフレもありません。前編で主人公を苦しめた強キャラが、新展開ではぽっと出のキャラにフルボッコ(T_T)なんてのを目にしなくていいのです。

バトル漫画の不文律を逸脱しているように思えますが、これは、主人公にこれといった目標がないからだと分析しています。

実はクローズに限らず、ヤンキー漫画は意外にこのパターンが少なくありません。典型的なのは『ビー・バップ・ハイスクール(きうちかずひろ)』の加藤ヒロシと中間トオル。彼らは飛んでくる火の粉は払いますが、喧嘩で名を上げることにはあまり興味がなく(ナメられたら別)、それよりも、女の子との出会いを楽しんだり、友達や後輩をからかったりして日常を面白おかしく過ごしているだけです。(まあビーバップはバトル中心の漫画じゃないので当然っちゃ当然なんですが)

ビーバップハイスクール
出典:BE-BOP-HIGHSCHOOL2巻 No.16「愛徳侵攻作戦」/作:きうちかずひろ

坊屋春道も同じです。春道のしてきた喧嘩は巻き込まれてやったものがほとんどだし、彼は鈴蘭統一はもとより、春道組の勢力拡大を狙う取り巻きを煩わしく思っている描写があります。

クローズ
出典:クローズ3巻 第11話「素直になれなくて…」/作:高橋ヒロシ

このように、「目標がない=成長する理由がない」ので、弱い順から敵を登場させて主人公を苦戦させる必要が薄れ、結果、主人公は何者にも縛られず、自由に振る舞ってストーリーを引っ張っていく展開が可能になります。もちろん、強いキャラの後に弱いキャラを登場させても盛り上がりにかけるため、そこは物語の見せ方を工夫しなければならず、作者の力量が問われるところ。

その点クローズは良かったです。強キャラベスト5に入る九能龍信戦の後はワンパンで決着がつくような相手でしたが、春道に一部サブキャラ的な立ち回りをさせることで親友ブルの存在感と黒焚連合の旗揚げを印象づけてくれました(7巻収録)。また、隣町の強敵・真弓鉄次の次に戦った中島信介は鉄次より劣るものの、中島が「1年坊主である」という素材がアクセントになってバトルの見え方が変わりました(23巻収録)。

不良(ワル)たちのしびれるファッションセンス

クローズといえば、登場人物の独特のファッションが光ることでも有名です。特に、暴走族「武装戦線」のファッションは専門誌で特集が組まれるほど人気が高く、かくいう私もメンバーが着用するライダースジャケットに憧れまったく似合いもしないのに5万円の皮ジャンを購入し、服屋の店員にすら褒めてもらえなかった記憶があります(2~3回だけ着た)。

クローズ
出典:クローズ22巻 表紙/作:高橋ヒロシ

【参考】武装戦線のファッションを取り扱ったFacebookページ
https://www.facebook.com/pages/THE-FRONT-OF-ARMAMENT/366670014847

ほかにも、 裸の上に直で学ランを着るハイセンスな高校生や、ウォレットチェーンとリストバンドの異常な流行率、本職の構成員のようにスーツを着こなす高校生などが多数登場し、30を超えて読み返しても寝つかせたはずの中二病魂が呼び起こされます。

ただ、皆が皆似たような格好をしているため誰が誰なのか区別がつかなくなることも。唯一の判別基準である髪型も物語の経過と共に似通っていき、最終話ではもう描き分けする気がないとしか思えない類似っぷりが炸裂しますが、私ほどのファンであれば一目で見抜けるので何の問題もありません。

クローズ
[左]坂東ヒデト[中央]ポン(本城俊明)[右]八木沢 明 
出典:クローズ27巻「CROWS is…」/ 作:高橋ヒロシ

さいごに

いやー、アツくなりました。漫画はゆうに数十周、映画も既に5~6回は鑑賞するほどのクローズファンなのでお許しください。そうそう、忘れるところでしたが、クローズの正統な続編である『WORST』も2013年12月20まで無料購読できます。

新装版 WORST(1) (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

舞台はクローズの終了から1年後の世界。誰もなしえなかった鈴蘭統一を目指す新入生・月島花が主役となって熱いバトルを繰り広げる物語です。

ん?

先ほど述べた「主人公に目的がないから強さ基準にとらわれず敵が登場する」という推察はWORSTの設定で見事に打ち砕かれている気がしますが……。まあ、話の冒頭から最強キャラが周知なのはクローズの続編だからですし、これだけクローズをゴリ推ししておいて実はWORSTは未読なので、私も無料お試し版を読んでから口コミサイトの方で意見を追記したいと思います。

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