「お客様の声は、改善の種」——留学エージェント『スマ留』が、一人ひとりの声に真摯に向き合い続ける理由

「一人でも多くの方に海外を経験してほしい」。そんな切実な想いを形にするため、費用を抑えた留学の提供に力を注ぐ留学エージェント「スマ留」。その最前線で舵を取るのが、株式会社リアブロード取締役兼COOの外山隆浩さんです。

今回お話を伺ったのは、スタッフさんたちが自由に意見を交わし合う、活気あるオフィスの一角。物腰柔らかな空気の奥に秘められた、外山さんの「留学を身近にしたい」という想い。そして、お客様の声に真っ直ぐ向き合い続ける、その真摯な姿に迫ります。

「留学の敷居を下げたい」――価格へのこだわりは、若者が外の世界へ踏み出すきっかけを作るため

まずは、スマ留が大切にしているコンセプトについて教えてください。

外山さん: 私たちが創業時からこだわってきたのは、「留学の敷居をいかに下げるか」ということです。というのも、留学を断念する理由の大半を「費用」が占めている現状があるからです。 ある調査データによると、約6割の方が費用を理由に留学を諦めているという結果が出ています。

— 費用を下げることには、どのような想いがあるのでしょうか?

外山さん: 日本がどんどん内向きな思考になってきているのではないかという危機感を持っています。 ある調査によると、隣の韓国ではパスポート取得率が60%を超え、海外留学が当たり前の文化になっていますが、日本は17%程度です。

パスポート取得率に、差があるんですね。

外山さん: そうなんです。このままでは、日本の国際競争力が失われてしまうのではないかと危惧しています。 日本の素晴らしさを正しく理解するためには、一度外に出て客観視することが大切だと思っています。 だからこそ、私たちは留学にしかない魅力を伝え、外に出る「最初の一歩」でありたいと思っています。

物価高でも、費用を抑えたい。スマ留の終わりなき挑戦

それにしても、最大50%安くできるというのは驚きです。どのような工夫をされているのでしょうか?

外山さん: 様々な工夫をしています。 例えば、留学先の語学学校の授業は、朝・昼・夕方の3コマ構成が一般的ですが、業界の慣習として朝のクラスばかりが紹介されてきた経緯があります。 もちろん朝は朝の利点がありますが、比較的ゆとりのある昼や夕方のクラスをご案内することで、少しでも費用を抑えた価格帯を実現できるよう、学校側との調整を重ねています。

学校の空き時間を利用するのですね。ほかにも、価格を抑えるための工夫はありますか?

外山さん: 例えば、滞在先の確保は一般的に語学学校が行っていますが、当社では語学学校とは別にアコモデーションプロバイダー(宿泊施設や居住スペースを提供する事業者)と直接契約することによって中間マージンの発生を抑えています。努力すれば価格を下げられる場所は必ずある、という信念のもと、パートナー企業との交渉を続けています。

外山さん

自ら毎日チェックする「お客様の声」。真摯に向き合う組織の姿勢

お客様からの声については、どのように確認されているのでしょうか?

外山さん: 私を含めて担当スタッフは、「みん評」の口コミをはじめ、X(旧Twitter)、Yahoo!知恵袋など、留学にまつわる声が発生する箇所をデイリーで確認しています。

外山さんご自身も確認されているのですか?

外山さん: はい。口コミを社内で一番見ているのは私なんじゃないかと思います。 お客様の声をどう受け取り、会社としてどう判断するか。正直、悩むこともたくさんあります。でも、それは私の役割だと思っています。現場のメンバーに、私がどのように悩んで、どのような判断しているのかを知ってもらいたいという意図もあり、自ら目を通しています。

自らが毎日確認されているとは、驚きました。

外山さん:誉めていただいたときには、最高に嬉しいですよ。社内に共有して、みんなで喜びます。厳しいご指摘をいただいたときには、緊張感が走ります。こちらに落ち度があった場合のご指摘に対しては、本当に申し訳ない気持ちで胸が痛みます。

どちらのお声も、お客様からのフィードバックをいただけることは、サービス品質の向上に直結しますので、本当に感謝しています。

届いた声に、社内でどのように取り組んでいるのでしょうか?

外山さん: 良い声は該当の部署や全体スレッドへ、ネガティブな声は担当者に即座に連携しています。 また、お客様の声をサービス改善に生かすチームでは、ポジティブな面をさらに伸ばすための施策と、ネガティブな面を軽減するための改善策を組織として取り組んでいます。

チームの一人ひとりがその想いを受け止めるだけでなく、組織として冷静かつ誠実に改善策を練りあげる。その積み重ねが、お客様に対する誠意だと考えています。

外山さん

「ご指摘は、改善の種」――不満の声を、改善につなげる

厳しいご指摘を共有されたとき、現場の皆さんはどのように受け止め、改善へと向かっていかれるのでしょうか。

外山さん: 時にはお客様から、「最悪でした」といった強い言葉を目にすることもあります。現場のスタッフからは「正直、そうした声を直視した直後は、落ち込んでしまう」という本音が漏れることもあります。一生懸命サポートしている自負があるからこそ、心苦しい瞬間があるのは事実です。

それでも、向き合い続けるのはなぜでしょうか?

外山さん: 社内で合い言葉にしているのは「ご指摘って、改善の種だよね」ということです。 何も言っていただけないけれど、ネガティブに感じているお客様がたくさんいる。そちらの方が、よっぽど怖い。言ってくれたということはありがたいことだよね、という気持ちでお客様の声を受け止め、一緒に話し合っています

その姿勢から生まれた、具体的な改善事例はありますか?

外山さん: 昨年構築した「マイページシステム」がひとつの例です。 以前はLINEのチャット上で書類のやり取りをしていたのですが、他の連絡に埋もれて「受け取っていたか」「確認できているか」といった不要なやり取りが生じることがあり、申し訳なく思っていました。申し込みから渡航まで数ヶ月かかるサービスですから、その間にお客様が不安を感じるのは当然です。マイページ上で書類の受け渡しから手配状況の確認・スケジュール管理まで一元化することで、「見えない不安」を解消できるようにしました。これもご指摘いただけたからこそ改善できたことで、本当に感謝しています。

業界の課題にも、誠実な説明で応えていく

渡航後に「聞いていた内容と違う」という声が上がることもあると思います。

外山さん: そうですね。例えば東南アジアへの留学だと、日本との生活水準のギャップをうまく伝えきれず、「こんな環境とは思わなかった」という声をいただくことがあります。 現地パートナーとできるだけ密に連絡を取り、正しい情報をできる限り迅速に届けるよう努力していますが、渡航までの期間に現地状況が変わることも多く、なかなか完全には防ぎきれない部分もある。同業の方々からも同様の課題に直面していると伺います。しかし、お客様に納得のいく留学をしていただくためにも、できる限り最新の情報をお届けできるサービスを目指していきたいと思います。

みん評のQ&Aサービスを活用されているのも、その一環でしょうか。

外山さん: そうです。 ご指摘に対して私たちから何かアクションできる外部プラットフォームは少ない中で、Q&Aという形で「こういう取り組みをしています」「こういう背景があった結果としてこの仕組みになりました」という文脈を説明できることに大きな価値があると思っています。 理解してもらえると、納得につながる。それが一番だと思っています。

『みん評』内のQ&Aページ。サービスへの理解を深めるため、具体的な質問と回答を掲載しています。

どんな情勢でも、海外への扉を開き続けるために

今後の口コミへの向き合い方について、教えていただけますか?

外山さん: これまでの試行錯誤を経て、Q&Aを含めて今の向き合い方を継続していきたいと思っています。 一人ひとりのお客様に寄り添うのは大前提として、寄せられた声の中に共通する課題を見つけ出し、根本から解消することで、同じ悩みを持つ方を減らしていくことができます。大切なのは、単にお客様の声に耳を傾けるだけではなく、具体的な改善に繋げることです。

円安や国際情勢の不安定化など、留学を取り巻く環境が厳しい中でも、その姿勢は変わらないのでしょうか?

外山さん: 変わりません。どんな情勢でも、海外へ行ける環境を作り続けることが私たちの役割だと思っています。 最近は中高生や小学生向けの海外留学にも力を入れていますが、早い段階で「海外は身近なもの」という感覚を持ってもらうことが、日本社会全体の課題解決につながると信じています。 一週間の留学でも、人は変わる。そのようなお声を、実際にたくさんいただいています。そのファーストステップを、これからも届け続けたいと思っています。

オフィスの奥に設けられた、開放感のある相談ブース。仕切られた複数のスペースが用意されています。

編集後記

訪問前、明るくモダンなオフィスの写真を見て「華やかな今時の会社」という印象を持っていました。しかし、お話を伺い、その認識は変わりました。

物価高が続くなかでも費用を抑えることにこだわるのは、「挑戦の第一歩を支えたい」という創業時からの信念があるからこそ。日々状況が変わる留学業界において、すべての背景を伝えきる難しさに直面しながらも、みん評のQ&Aなどを通じて説明を尽くし、届いた声を一つひとつ改善に繋げようとする地道な努力がそこにはありました。

開放的な空間の奥にあったのは、お客様の声に真剣に向き合い続ける誠実な姿。様々な悩みに直面しながらも、その根気強い歩みが、今、多くの方がここを通じて海外へ飛び立っている理由なのだと感じた取材でした。

(取材・執筆:稲留)

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