引越し業者は、少しでも安いところを選びたいものです。引越しの料金は荷物の量と距離によって決まります。荷物の量が多いほど・距離が遠いほど高くなるのです。ですが、均等に上がっていくわけではないようです。業者によって上がり方が違いますし、そもそものベース料金も異なります。これは特に距離に関して顕著で、業者の配送拠点やネットワークの有無などが関係しているようです。つまり、遠距離でもさほど割高にならない業者があるため、近距離で安い業者がつねに安いとは言えないのです。
同じ荷物量を距離を変えて見積もり
荷物量などは同じで、距離だけが違う見積もりをとってみました。今回は一括見積サイト「引越し侍」と、公式サイトでシミュレーションができるいくつかの業者で、料金を比べます。
<条件>
引越し日程:平日、時間指定なし
単身1DKのマンション(2階エレベーターあり)から同じ条件の部屋への引越し。
家財:2人がけソファー・リビングテーブル・食器棚・本棚・整理タンス(小)・テレビ(小)・パソコン・冷蔵庫(2ドア)・電子レンジ・洗濯機・エアコン(取り付けは含まず)
※見積もりのシステムにより家財の条件がまったく同じにできない場合も、できるだけ近づけて試算しました。
業者名 | 見積り価格 |
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アーク引越センター | 33,730円 |
隆星引越センター | 35,750円 |
アクティブ感動引越センター | 37,500円 |
リクラッソ引越サービス | 38,500円 |
アート引越センター | 43,643円 |
ダック引越センター | 48,400円 |
ベストロジコム | 49,500円 |
エスラインギフのスワロー引越便 | 51,720円 |
ヤマトホームコンビニエンス | 61,560円 |
SGムービング | 78,130円 |
業者名 | 見積り価格 |
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アート引越センター | 79,510円 |
ヤマトホームコンビニエンス | 88,452円 |
ダック引越センター | 105,000円 |
アクティブ感動引越センター | 111,200円 |
リクラッソ引越サービス | 137,600円 |
エスラインギフのスワロー引越便 | 144,030円 |
ベストロジコム | 153,780円 |
SGムービング | 188,470円 |
隆星引越センター | 200,640円 |
アーク引越センター | 232,026円 |
特徴的なのは、アーク引越しセンターが、近距離ではいちばん安い見積もりだったのに、遠距離ではいちばん高くなったということです。やはり、近距離・遠距離で安い業者は異なるようです。
近距離の引越しは、大手よりも中小の業者が安いです。中小の業者は低価格を最大の武器にしているところが多いからです。反面、中小の業者はスタッフやトラックの数も少ないので、混み合うシーズンだと希望の日時の予約が早めに埋まってしまったり、また、サービス面では一歩劣るといったこともありえます。中には、実際に来た際作業人数が少なかったり、トラックに積みきらない荷物は運ばないなどの対応をする残念な業者もあるという声もあります。そのため、安ければ安いほどいいという考え方はややリスクがあるのですが、とにかく近距離は中小業者のほうが安い傾向があるということです。
これが遠距離になると、企業的に体力のある大手業者に比べて中小の業者は相対的に高くなってしまい、競り負けてしまいます。中小の業者は、東京-大阪間の距離だともはや対応できない業者も少なくありません。引越し侍でも、実際、そういう業者がありました(今回は、比較のために近距離しか対応できない業者は省いています)。
今回、遠距離で安かったのは大手のアート引越センター、ヤマトホームコンビニエンス、ダック引越センターですが、アートとダックは、中小業者が高くついたことで、相対的に安くなったという印象です。対してヤマトホームコンビニエンスは、近距離ではむしろ高く、遠距離のほうが安い、「遠距離が得意な業者」と言えると思います。
まとめると、近距離はどの業者も安く、特に中小の業者は価格で競争してくることが多いので、中小業者も含めた幅広い業者から見積もりをとるのがよいかと思われます。ただしサービス面については、見積もり時などによく見極めるようにしてください。
遠距離の場合は、中小の業者はあまり安くならないので考えにいれず、大手中心で見積もりを比べ、遠距離が得意な業者を探すのがいいでしょう。
近距離と遠距離の境目ですが、距離による値段の変化は20キロ単位で変わるとされています。20キロと言えば、ちょうど東京23区が収まる程度の円になります。おおむね同一市内が近距離、それ以上が遠距離と考えればいいかと思います。