アリシアクリニックが破産したのはなぜ?
脱毛市場の激しい競争、過大な広告費、不採算の姉妹クリニックとの統合に加え、前受金に依存した経営により資金繰りが悪化したため。
脱毛市場は参入企業の増加で飽和状態となり、激しい顧客の奪い合いが起きていました。アリシアクリニックも価格競争に巻き込まれ、十分な利益を確保できなくなったことが、経営悪化につながりました。
アリシアクリニックは、テレビCMなど大規模な広告宣伝を展開していました。広告は新規顧客獲得に効果的ですが、費用対効果を十分検証せずに継続すると収益を圧迫します。売上に対して過大な広告費支出が、経営悪化の一因となった可能性があります。
アリシアクリニックは、姉妹クリニックである「じぶんクリニック」との統合を行いましたが、じぶんクリニックの経営状況は芳しくありませんでした。事業規模拡大を目指した統合が、逆にアリシアクリニック全体の財務状況を悪化させ、経営破綻につながったと考えられます。
前受金とは、商品やサービスを提供する前に、顧客から受け取る代金のことを指します。アリシアクリニックの場合、脱毛コースの契約時に、顧客はコース料金をまとめて支払うか、分割で支払う契約をしていました。この契約に基づいて、実際に施術を提供する前に受け取ったお金が「前受金」です。
この前受金を広告宣伝や店舗の拡大、赤字補填などのために使ってしまっていたことで、自転車操業的な経営状態になっていたと考えられます。
脱毛業界では多くの企業が前受金ビジネスを行っています。もちろん、前受金を採用していても健全な経営を行う企業もたくさんありますが、前受金への依存は脱毛業界全体がかかえやすい問題のひとつであると言えます。
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